喜ばざる状況だから修理後には喜んで頂きたい。
繊細な感覚とテクニックでスペシャリストが対応します。
フレーム修正
事故により自動車のフレームにまで損傷が及んだ修理は特別な設備を必要とします。その設備の一つがフレーム修正機です。衝突安全ボディの損傷はフレーム修正機がなければ修理できないといっても過言ではありません。当社では衝突安全ボディの修理にもしっかりと対応できるフレーム修正機「BLACKHAWK」を5機設備しております。フレームに及ぶ損傷でも同時に5台まで修理が可能なのでフレーム修正機が空くのを待つことが無く修理期間を無駄に延ばすことがありません。
事故による大きな衝撃を吸収する衝突安全ボディですが、近年、車体構造が著しく変化しているので、これまでに私たちが経験してきたフレームへの損傷波及と違い、これまででは想像もつかない部位まで損傷波及が確認できることがあります。
そこで、当社は、最新の衝突安全ボディにも対応できる最新鋭のフレーム測定器ULTRA-S(ウルトラ-エス)を導入しています。当社は、フレームへ及んだ損傷が疑わしい場合、このULTRA-Sを使用して修正前の変形量を確認します。確認後、フレーム修正を必要とした場合、フレームを少しずつ修正してはその都度測定するのではなく、リアルタイムにモニターに映し出される測定データを見ながら修正作業を行えるので、作業効率も高く、精度の高い作業が可能です。
しかし、どんなに設備が充実していても、事故を起こしたお客様は本当に安全に直っているか、本当に安心して乗ることができるかといった不安な気持ちになるかと思います。そこで、当社では、修理が完成してお車をお引き渡しの際に、フレームの完璧な修理を証明するために、フレームの修正前から修正完了までの状態が数値化され、その変形量がイラストで分かり易く表現された測定データを発行してお渡しするので修理後にも安心してお乗りいただけます。
私たちが扱う溶接機には大きく分けて3種類あり、鋼板と鋼板の隙間を繋げる「ミグ溶接」と鋼板と鋼板を挟んで溶接する「スポット溶接」、最近の自動車は材質が変わり溶接機としては使用しなくなりましたが「ガス溶接機」があります。自動車を形成する鋼板部品同士は約4,000箇所を溶接により繋ぎ留められており、そのほとんどが「スポット溶接」です。
このスポット溶接ですが、鋼板を溶接する際、鋼板の厚みや素材の違いにより、鋼板を挟む圧力や電流の通電時間を変えて瞬間的に鋼板を高熱で溶かし、正しい条件で正しい場所を溶接します。これを新車の製造工程ではほぼ全ての溶接作業をロボットが行いますが、私たち修理工場では全ての溶接を技術者の手作業で行っています。
私たちの修理は強度と安全性の復元の他に美観の回復も求められます。そこで当社が導入している溶接機「MULTI ALPHAⅢ(マルチアルファスリー)」は最新の超高張力鋼板を溶接するための能力を備え、さらに塗膜の剥がし忘れによる溶接不良を防止する自動塗膜剥離機能PDS回路や、コンピューターにより瞬時に鋼板の種類や重ねた枚数にあった溶接条件を設定するT・E・C・Hシステムが搭載されており、これまで以上に安全で仕上がりのキレイな溶接が可能です。
スポット溶接で鋼板を溶着すると『ナゲット(スポット痕)』と呼ばれるスポット溶接の跡が確認できます。このナゲットを美しく良質なものにするには、加圧力(鋼板と鋼 板を挟み込む力)、電流量、通電時間の三つが全て整った、スポット溶接にとって最適な条件でなければなりません。技術者がそのナゲットを見ればその溶接強度=安全性が分かります。私どもが安全性と美観の回復として、拘っているポイントでもあります。