喜ばざる状況だから修理後には喜んで頂きたい。
繊細な感覚とテクニックでスペシャリストが対応します。
実際の修理の事例です。
[ ニッサン ノート 右ステップ廻りの修理事例 ]
平成24年式 ニッサン ノート E12
ボディーカラー:ダークメタルグレー(KAD)
事故概要:良くぶつけてしまうフロントステップ部の修理事例です。
フロントフェンダの裏側まで変形しているのが確認できます。
まずはフロントドアを取り外した後、フロントピラーの下側とサイドシル(ステップ)の前を切って剥がします。
※日産は「サイドステップ」を「サイドシルと」呼びます。
今回は幸いにもフロントピラーやサイドシルの内側への変形は確認できなかったのでいずれも外側だけの部品、アウターパネルのみの交換です。
新しいサイドシルとピラーのアウターパネルを溶接して貼り付けて塗装します。
塗装前にサイドシルの下側に「チッピングコート」を塗装します。このチッピングコートは走行中のタイヤで跳ね上げた飛び石等によりボディを傷つけないように新車時から塗装されています。
今回、交換となるフロントフェンダーの下側にもチッピングコートを塗装します。
で、やっとここでサイドシルを塗装。
次に今回の事故でサイドシルの内側、運転席で足を置く位置の下側が今回の事故の際、乗り上げによる損傷を負っていました。
この部位は車体を構成する部位でも最も固い部分です。
フロントフレーム、フロントピラー、キャビン等の車体のフロント部を構成する内板骨格部品の全てこの位置に集約され溶接されています。
上の写真の部品はこの位置で集約された内板骨格部品同士をさらに強く固定する働きを持った部品の一つで、なるべくなら新車時の溶接の強度を残すためにも交換をしな方がいい部品です。
今回の事故では幸いにもこちらの部品の溶接個所には影響が無く、外傷と軽い凹みだけだったので鈑金と塗装のみの修理で済みました。
普段は見えないところも美しく。
続いてフロントフェンダーの塗装ですが、ココで拘りの一つ。
フロントフェンダにはフィクスガラスと呼ばれる二等辺三角形のガラスが取り付いています。
このガラスとフェンダの塗装際(とそうぎわ)の仕上がりに拘ってみました。
上の写真でお分かりかと思いますがガラスとフェンダの隙間を埋めるようにガラスの周りに黒いパッキンが付いています。このパッキンをマスキングして塗装するのも一つの方法ですが、パッキンの素材はゴムだったり柔らかいプラスチックだったりします。こういった素材は時間が経つと劣化して縮みます。そうするとマスキングで塗装されなかった部分が顔を出し塗装際が出ることになります。
そこで、
フロントフェンダーを取り付けるとガラスの内側に隠れてしまう部分も外側と合わせて一度に塗装します。
で、フロントフェンダーと隣接しているフロントドアにも「ぼかし塗装」を施工します。
色はフロントドアのフロントフェンダ寄りでぼかし、クリアー塗装は塗装際が出ないように「ブロック塗装」によりパネル全体をコートします。
塗装した後、部品を組み付けて完成。
キレイに直っていますね。
今回の修理代は 技術料110,657円 部品・材料代67,889円 合計178,546円 となりました。
整備期間は5日間 でした。
担当者 フロント/武本・鈑金/野田・塗装/椎野